めざせdry lap

フォイリングタックについて

 

水中翼艇といえど、まずは普通の船と同じように浮力で浮いた状態で走り始めます。一定のスピードまで加速すると、水中翼が発生する揚力が、船と人の重量を持ちあげ、水中翼以外の部分が水面上を飛んでいる状態になります。飛んだ状態では、抵抗が大幅に減るので、スピードが格段に上がります。レース中の最重要の目標は、スタートからフィニッシュまで、ずっと水中翼で飛んだ状態をキープすることです。飛んだまま、一度も水につかないでコースを周回する事を、dry lapとか言ったりします(もちろん、水中翼は水に浸かってますが)。

dry lapを目指す上で、最大の難関はタック(風位を越えて方向転換すること)です。タック中は、推進力がない状態でまっすぐ前から風を受けるので、スピードが低下し、もし離水速度以下まで減速すると落ちてしまいます。モスでフォイリングタック(水中翼で飛んだままタック)するためには、最低でも時速25キロ程度のスピードで走った状態から、3秒以下で120度方向転換させ、その間に、水中翼1本で立っている船のバランスを取りながら、遠心力に耐えつつ、中腰で反対に移動する必要があります。何百回か失敗を経て、やっと成功し、その後も何百回か練習して、成功率が5割程度になってきました。

モスでは、世界選手権で上位を取る選手のフォイリングタック(水中翼で飛んだままタック)の成功率はほぼ100%です。みんなできてるんだから、練習すればできるだろう、と比較的楽な気持ちで習得できました。いっぽうナクラでは、フォイリングタックが物理的に可能なのか、まだ誰も知りません。

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